お仏壇の歴史

 「日本書紀」に、天武天皇が諸国の有力者に持仏堂を造ることを薦めたということが書かれています。 また一般民衆の間では、家の中に氏神や祖先をまつる祭壇はあったのですが、室町時代に入って「書院造り」という住宅形式ができた時、 床の間が仏壇になったということです。 したがって床の間がお仏壇の原形で、私たちの住む畳より一段高くなっているのは、床の間に御仏をまつっていた歴史が今でも残っているからです。

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お仏壇は何のためにまつるのですか

お仏壇はお寺の内陣と同じく、浄土をこの世であらわそうとしたものですが、あまり難しく考えるのではなく、生活の中で親しんでこそ意義があるのではないでしょうか。毎日、「おはようございます」とか、「今日も一日ありがとうございました」とご本尊様やご先祖に感謝の気持ちを捧げる心安らかな場所が、お仏壇なのです。もちろん、おまいりはどんな場所でもいいのですが、合掌礼拝の形をとるには、素直な気もちで合掌できるお仏壇があってこそ、初めはたとえ形式的であったとしても、毎日手を合わせているうちに感謝(帰依)の心が芽生え、やがて「ありがとうございました」と心からお礼が言える、思いやりや敬いの気もちが自然と身についてくるのです。

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子供の教育と仏壇

子供は親の後ろ姿を見て育つものだと、よく言われます。父や母が毎日、お仏壇に季を合わせる姿を見て、子供たちもまた祖先に見守られている安心感と生きていく上での礼節を学んでいきます。"しつけ"とは、ただ作法にとらわれるのではなく、思いやりや慈愛といった美しい心を身につけさせることが大切なのです。親が現在の家庭生活はご先祖様ともども成り立っているという感謝を忘れず、まつる心失わなければ、子供たちは必ずその姿をお手本に、礼節ある人に成長していくことでしょう。

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お仏壇と迷信

「お仏壇を買うと新仏がでる」という説は、はっきり言って迷信です。それが証拠に、お仏壇を買わなければ家族は誰ひとり欠けない、という奇妙な話になってしまいます。この間違った説は、おそらくどなたかが亡くなった時に、お仏壇を購入することが多いことから広まった、愚かな迷信に過ぎません。昔からお仏壇を中心にした生活が洗いている旧家などは別にして、団地や新しく世帯の分れたお宅では、さほど日常の中にお仏壇の必要を感じられないことでしょうが、毎日を平穏無事に暮らしていける幸せを感謝し、朝夕に合掌礼拝して心の平安と幸福を求めるご供養の姿が、長く子孫へと続く安泰の礎となっていくのです。また、お仏壇を購入するということは、お祝いことです。それは、お仏壇開きの際にご祝儀用の熨斗(のし)を用いることでも、きっと皆さんにもおわかりいただけることでしょう。お仏壇は、単に亡くなった方をおまつりするだけのものではありません。今日の幸せを築き、明日を無事に暮らさせてくださるみ仏のご恩に感謝をし、日々の生活へのご加護を祈る、神聖な場所でもあるのです。そういう意味から考えれば、たとえ亡くなった人がいなくても分家であっても、心の鏡・心の道場とぐして、お仏壇はご家族の平穏な暮らしに欠かせない、必要なものだと言えるでしょう。

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お仏壇の向き

特別なきまりはありませんが、一般には南向きや東向きが多いようです。南向きは高貴な方が北に座り南を向くことから、東向きは礼拝の時に西方極楽浄土の方角を向くことに所以しています。またその宗派の本山の方向に安置しても良いのですが、現在の住宅事情を考えあわせれば、その家の上座や粗末にならない場所、日々の礼拝に便利な位置にお仏壇を安置されるのが、賢い方法といえるのではないでしょうか。

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お仏壇の安置場所

お仏壇を安置する仏間の場所には、むつかしいしきたりはありませんが、住居部屋とまったく離れた場所や玄関先、またトイレの横などというのは考えもの。そして、2階に安置するのも良いのですが、これは日々のおつとめがおっくうになりやすく、お年寄には不便です。すなわち、お仏壇の安置場所は一家揃って礼拝がしやすい、清浄な場所が適しているということになります。あわせて、法要などが営まれる際のことも考えておいてください。

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仏間の注意点

仏間を考える時、まず肝心なことは、ご安置するお仏壇の大きさを決めてから、仏間を計画することです。仏間が出来上がってから、お仏壇を迎えようと思うと、仏間に安置できず、気にいったお仏壇が入らなかったり、さらに仏間を改造したり、お仏壇の下を切ったりとかいう失敗を招きかねません。また、最近ではお仏壇のまわりにも電気を使う仏具が多くなってきましたから、半間の仏間なら一方の壁に、一間なら両側の壁にコンセントを設けておくと、いろいろ活用できて便利です。さらにコンセントには、それを使い易くするために、電源のスイッチを壁面にでも取り付けておけば万全でしょう。 そしてお仏壇には、地袋式(上置仏壇)をはじめ、標準式など種類がありますから、仏間の広さやご安置場所に合わせて、お仏壇を選ぶことも大切な注意事項のひとつです。 最近の傾向として、仏間に扉をつけるご家庭が多くなっています。しかしここで気をつけなければならないことは、イザお仏壇を安置しようとすると、新しい扉が邪魔になってしまった、というような失敗をしないことです。扉はない方が本来は良いのですが、どうしても必要な場合は、必ず奥行は70cm以上を確保して、充分注意の上、施工してください。
● 横開き式ふすま
5尺から6尺以上の仏間によく使われますが、一間仏間で三方開などの大型仏壇を入れる場合は、奥行を90cm以上取らないと、お仏壇の開閉ができなくなることがあります。
● 前開き式扉
4尺から3尺以下の仏間の時によく利用される方法です。この場合、法要などの時に扉が邪魔になってしまうことがありますので、取り外しの楽な扉を選びましょう。
● 押し込み扉
5尺から3尺の仏間に最近よく使われだした方法で、法要時などにはふすまがスッキリと収納されてしまいます。ただし、ふすまの収納部分が必要となるため、あまり狭い仏間には適していません。
● 地袋式仏間型
お仏壇で40-60pの地袋がついている場合に安置できるサイズ。
● 半間仏間型
仏壇に地袋がついていない場合に安置できるサイズ。
● 一間仏間型
4.5尺・1問など半間以上のお仏間に安置できるサイズ。

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別注仏壇

近頃ではあまり見かげなくなりましたが床仏壇をはじめとして、当店では各種別注のお仏壇の製作を承っています。半間用として、半間の幅いっぱいで、扉をなくし障子だけにした床仏壇風の据付け型仏壇もご覧ください。お仏壇の製作に関しましては、お気軽に当店にご相談ください。いつでも専門の係員がお答えいたします。ただし製作につきましては、約3ヶ月以上の日数を要しますので、お早めにお問い合わせください。

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仏壇の修理

当店では、伝統の技術と経験を活かして、金仏壇などの修理・すすぬきをいたします。期間は約2〜3ヶ月は必要ですが、ご一報いただければ専門係員がすぐにお伺いいたします。また新築までの間の修理とお預りも、ご用命ください。  

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お位牌

お位牌は、亡くなられた方そのものを表わす、お姿です。必ず49日の法要に間に合うように、ご準備ください。お位牌の大きさは、ご先祖のお位牌がある場合は、基本的にだいたい同じ大きさにしましょう。また種類としては大別して、浄土真宗に多い回出位牌と、真言宗や他の宗派にみられる板位牌があります。お位牌をお求めになる時は、亡くなった方の戒名(法名)・お年・お名前・亡くなられた日付を控えて、ご先祖のお位牌がある場合はその寸法を計られた上、一人付になさるかご夫婦用の二人付のお位牌になさるかを決められてご注文ください。わからない点やご不な点があれば、当店の係員が丁寧にご説明をさせていただきます。   

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仏壇の手入れ

金仏壇は塗りのところは拭いでもかまいませんが、金のところは絶対に拭いてはダメです。毛バタキでほこりを払うだけにしましょう。唐木仏壇はからぶきだけでいいです。どちらの仏壇も汚れがひどい場合は、少ししめらせたタオルで拭いて下さい。お仏壇を拭く専用の布や、艶出しも販売してますので、ご利用下さい。今日の自分があることを喜び、感謝する、つまりご先祖を崇拝・供養する「よすが」となるものが、お墓です。そしてお墓は、ご先祖のお家であり、やがては自分も一緒になっていく場所でもあります。したがって、自分自身の将来のためだけでなく、ご先祖様のためにも建てる意義は大きいのです。

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お墓

お墓はご先祖のご供養と、今私たちが平穏に暮らしている感謝を捧げる場として建てるのですから、特に決まった建立時期はありません。一般的には、49日・百ヶ日・年忌・お盆・お彼岸などが多いようです。ただ、新仏さんがおられるご家庭の場合には、遅くても一周忌までにはきちんと建立したいものです。また、戒名を彫らないままにすることは、くれぐれも避けましょう。せっかく、ご先祖のご供養のためにとお墓を建てられても、日頃の管理が不十分で、ほったらかしというのでは、まごころのご供養はできていません。春秋のお彼岸やお盆はもちろん、できるだけお墓参りに出かけたいものです。墓地の雑草を抜いたり、墓石をきれいに整えたり、また季節の花をお供えするのも、ご先祖はきっとお喜びになられます。    

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神棚

新築なさって神殿をお迎えする場合、最近よく耳にするトラブルは、気に入った神殿はあったけれども、高さが足らなかったというようなことです。こうしたことを防ぐためにも、最低50〜55cmは神棚の高さを確保しておいてください。また近頃は神具でも、春日燈篭など電気を使うようになってきました。高い場所でローソクなどを使用するのは、実際危険ですから、神棚の内部にもコンセントを作り、使い易い場所に電源スイッチを用意するようにしたいものです。

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